入院中の思い出1
ふっと思い出した。入院中の嫌な思い出。
息子は生後7日目に心疾患の手術を受けた。その後病状悪化のため再手術を繰り返すことなり、手術のたびに「前例がない」だの「助からない」だの言われて。でも手術をしなければ死ぬことが確実だったから手術に賭け、結果としてはその賭けに勝ってきて今がある。
入院中の辛かったことは簡単に書けることではなく、息子なしでは生けていけないこの私が、息子を殺してこの地獄から逃れたい、と願ったほどだったから、その頃の私の心理状態は良かったら想像してください。
そんな入院中のこと。
NICUにいるとき、同じような心疾患ママAさんと知り合いになった。うちの子が3回目の手術を終えNICUにいるときだ。そのママのお子さんは術前でNICUにいた。そして手術に臨み、無事に手術を終えNICUに戻ってきた。そのときは肩を抱き合って喜び合ったものだった。
しばらくしてその子と相前後して一般病棟に上がった。うちは何度も手術を繰り返し一般病棟、NICU,ICUを行き来していたので、主のような状態か。さらに一般病棟に上がっても退院のめどすら立たない状態だった。
そしてAさん親子は一般病棟にいること1週間で退院していった。
私はそれを見送った。
あとから手術した人が元気になって退院していくことなんて数え切れないほどあった。だから「うらやましい」とか思えば自分が苦しくなるだけだから、笑顔で「おめでとう、よかったね」と言って見送った。
そのときのAさんの返事が忘れられない。
「うちもまだまだ、いろいろあるんだけどね」
彼女は確かにそう言った。
私たち、その時点で入院生活が9ヶ月を越えていた。その間に↑のようなひどいことを言われながら、3回の開心術(心臓を止めて、人工心肺を用いて行う手術)を受けてきた。まだ2歳になったばかりの娘とも引き裂かれ、付き添い生活を余儀なくされていた。息子の病状も明るい兆しはなく、退院のめどは全く立っていなかった。
あぁ、そうですか。そりゃいろいろあるんでしょうよ。
でも退院できるじゃないか。心奇形によっては段階的に修復しますから何度か手術が必要ですよ。
でも退院できるじゃないですか。いいじゃないですか、生きているうちに家に帰れるんですから。
いろいろあって、大変なんでしょうね。ま、がんばってくださいね。
とても素直にお祝いできませんでした。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


最近のコメント